こんにちは ドクターカズです。
今回は「診察室のBGM」の話です。
実はこのテーマ、以前「診察室にジャズ?」というブログで書いたことがあります。
あれから6年。
さて、どうなったかというと――
ずいぶん便利な時代になりました。
当時はCDを入れ替えながら、日々、選曲していましたが、今はタブレットから音楽配信サービスを利用しています。
こちらの気分や時間帯に応じて、それらしい曲を自動で流してくれる。
なかなか優秀です。
さらにありがたいことに、スタッフが私の好みに合わせて調整してくれています。
私は低音で落ち着いた曲が好きなので、気がつくと診察室には、チェロやコントラバスの穏やかな音楽が静かに流れています。
自分で選んでいるわけではないのに、妙にしっくりくる。
楽をしながら好みが反映されている、ありがたい環境です。
そんなある日。
診察がふと途切れ、静かな時間が流れていました。
そのとき、どこかで聞いたことのある旋律が流れてきました。
「あれ?」と思って耳をすませると――
これは、あの曲です。
映画「ひまわり」のテーマ曲。
昔よく耳にした、あの切ない旋律です。
この映画は、第2次世界大戦に翻弄されたイタリア人夫婦の物語です。
ロシア戦線に送られ、戻ってこない夫を探して、妻が遠くソ連の地まで旅をする。
広大なひまわり畑の中で描かれる、あの物語。
当時は日本でもとても人気がありました。
中でも印象に残っているのは、妻(ソフィア・ローレン)が列車から降りてくる夫(マルチェロ・マストロヤンニ)と再会する場面です。
あのシーンは、何度見てもジーンとくるものがあります。
「お、これは“ひまわり”だな」と、近くにいたスタッフに声をかけました。
しかし誰も反応しません。
もう一度言ってみました。
私「映画の“ひまわり”・・・ 有名な曲なんだけど・・・」
スタッフ「・・・すみません、分からないです」
周りを見ても、うなずく人は一人もいません。
どうやら、30代のスタッフには通じないようです。
……そうか、気がつけば、あの映画もずいぶん昔の作品になっていました。
便利な時代になり、音楽は自動で選ばれ、好みに合った曲が自然に流れてくる。
それはそれでありがたいのですが――
ふと流れてきた一曲に、自分だけが懐かしさを感じている。
そんな場面に出くわすと、時の流れを感じます。
「いい曲なんだけどなあ…」
誰にも共感されないまま、ひとりでうなずいていました。
どうやらこれも、昭和世代のささやかな楽しみのようです。
PS:昭和のエンタメについて書いた過去ブログ「ボヘミアン・ラプソディ」・「ホテル・カリフォルニア」も、ぜひ読んでみてください。
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