こんにちは。ドクターカズです。
皆さん、映画【国宝】はご覧になりましたか?
とにかく出演者の気迫がすごい映画でしたが、中でも強烈な存在感を放っていたのが、田中泯さんです。
「あの人はいったい何者なんだ……」
圧倒的な怪演に、引き込まれました。
その田中泯さんの舞台を、先日観てきました。
大型連休中に金沢市内で開催された ガルガンチュア音楽祭。
会場は石川県立音楽堂です。
今回は、【国宝】で振付を担当した日本舞踊家の谷口裕和さんとの共演でした。
内容がまたすごい。
本来は前衛ダンサーである田中泯さんが、能囃子「三番叟」に合わせて舞う。
一方、谷口さんは、ベートーベンのピアノソナタ「月光」に合わせて、【国宝】でも演じられた「鷺娘」を舞う。
お互い、普段とは違う土俵で勝負しているわけです。
これがもう、迫力満点。
田中さんは、ただ歩くだけで空気が変わる。
本当に不思議なのですが、舞台の上に立っているだけで目が離せません。
谷口さんの「鷺娘」も圧巻でした。
満員の会場からは、演目が終わるたびにため息のような声が漏れていました。
「ああ……すごいものを観た」
そんな空気です。
……ただし、ここで正直に告白します。
今回の舞台、あまりにもレベルが高すぎて、実はよくわかりませんでした。
美しいとは思うのですが、その“深さ”に私の理解力が追いつきません。
頭の中で、今の動きにはどんな意味があるのか、この静止は何かの象徴なのかなどと考えているうちに、場面はどんどん進んでいきます。
こういう時、自分がいかに“カチカチの理系脳”かを思い知らされます。
芸術とは頭で理解するものではなく、そのままを感性で受け止めるものなのでしょう。
私には芸術的センスというものが、どうも足りないようです。
とはいえ、不思議なもので、よく分からないのに、なぜか強く印象に残る。
これが一流の証だと思います。
私は昔から、田中泯さんのように、主役を支えながら独特の存在感を持つ役者さんが好きです。
今後の活躍も楽しみです。
……さて、舞台が終わって、一緒に観に行った妻との帰り道。
私:「いやあ、すごかったなあ」
妻:「うん、すごかったね」
私:「特に……なんというか……あの絶妙な“間”がね」
妻:「どの”間”のこと?」
私:「……えっと、ごにょごにょ」
どうやら私は、芸術を理解する前に、まず“分かったふり”をやめたほうがよさそうです。
PS:特定の人物について書いた過去ブログ「癌と生きる、大女優・樹木希林さんの生き方」 「ショーケン逝く」 「別次元の医師・中村哲」も読んでみて下さい。いずれも訃報に接して書いたブログです。
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