こんにちは。ドクターカズです。
「6年経ってどうなった」シリーズも第8弾です。
今回は医療機器のデジタル化について。
6年前、「胃カメラを止めるな!」という記事を書きました。
当時、当院では胃カメラ検査の全過程をDVDに録画し、患者さんにその動画を見ていただいていました。
「百聞は一見にしかず」
口で説明するより分かりやすいと思って始めたのですが、やってみると問題もありました。
まず、時間がかかる。
食道から胃、十二指腸まで数分間の動画を一緒に見ていると、説明する私もだんだん無口になります。
「先生、今どこですか?」
「これは胃です。」
「さっきから胃ですよね?」
そんな会話になることもしばしば。
さらに「ちょっと気持ち悪くなってきました…」という方も。
自分の胃の中を延々と眺める機会は、人生でそう何度もあるものではありませんが、生々しい映像には違いありません。
そして、とどめはDVDレコーダー。
これがよく壊れる。
医療機器より先に録画機器が悲鳴を上げていました。
そこで導入したのが、内視鏡画像の保存・管理システムです。
食道、胃、十二指腸の重要な場面だけを数十枚の静止画として保存できます。
患者さんには、
「ここが食道です。」
「ここが胃の入り口。」
「ここが胃潰瘍の跡です。」
という具合に、ポイントを押さえて説明できます。
動画を最初から最後まで見るより、はるかに分かりやすく、診察時間も短縮されました。
次はレントゲンです。
昔はフィルムにX線を当て、現像して初めて画像が見られました。
若い方は「現像」という言葉自体をご存じないかもしれません。
撮影したあと、スタッフが現像室で処理をして、出来上がったフィルムを光にかざしながら診断していました。
それが今ではコンピューターによるデジタル撮影。
撮った瞬間にモニターへ表示されます。
画像は鮮明。
拡大も自由。
明るさも調整できます。
しかも、かさばるフィルムの保管も不要。
「あのレントゲン、どこへしまった?」という会話もなくなりました。
実は、このふたつのシステムを導入したのは4年前。
新型コロナで世の中が大騒ぎだった頃です。
スタッフからは、
「先生、こんなに便利ならもっと早く入れてほしかった。」
と言われました。
「古い物でも大切に、長く使うことが大事だからね。」
そう胸を張って答えたのですが、あとで一人考えました。
もしかすると私は、古い物を大切にしていたのではなく、新しい物を導入する勇気がなかっただけではないか…と。
もっとも、そんな私も、今はデジタル機器なしでは診療ができません。
人間、年を取ると新しいものが苦手になると言いますが、
医療機器のデジタル化に遅れをとらないよう、
院長の頭の中も、日々アップデートしなければ…と思っています。
PS:少しでも楽に検査を受けてもらいたくて導入した、鼻からの胃カメラは6年経っても変わっていません。
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