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    食中毒にご用心(その後)

    こんにちは。ドクターカズです。


    以前、「食中毒にご用心」という記事を書きました。

    30年ほど前、アメリカ留学中に腐った牛乳を買わされ、店主がその場で牛乳を飲んで吹き出したという、今思い出してもなかなか強烈な体験でした。

    あの時私は、「自分や家族を守るのは自分自身しかない」ということを学びました。

    あれから年月が流れ、日本に戻って町医者となった今でも、その教訓は変わりません。


    先日、北陸地方も梅雨入りしました。
    毎年のことですが、この季節になると、食中毒と思われる患者さんが受診されます。

    その中で時々登場するのが、作り置きカレーです。

    よくよく話を聞くと、「三日前のカレーを食べました」という展開になることがあります。


    カレーは翌日の方が熟成しておいしい。

    これは多くの方が認める事実でしょう。

    ところが、人間がおいしいと感じる環境は、細菌にとっても快適なことがあります。

    特に注意が必要なのがウエルシュ菌です。

    この細菌は酸素の少ない環境を好みます。

    カレーなど煮込み料理の中で生き残り、大鍋のままゆっくり冷える過程で増殖します。

    患者さんにその話をすると、「でも、ちゃんと温め直しましたよ」と言われます。

    確かにお気持ちは分かります。

    しかし残念ながら、再加熱だけでは十分でない場合もあります。


    もちろん、すべての作り置きカレーが危険なわけではありません。

    ただ、「見た目は大丈夫」「臭いもしない」「もったいないから食べよう」という判断は、時として危険です。


    私自身、食べ物を粗末にするのは好きではありません。

    すでに満腹でも、残して捨てるのはもったいないから食べてしまおうとして、妻から止められることもしばしばです(もっともこれは、食中毒と言うより、目立ってきた私の腹回りを気にかけてのことですが・・・)。

    子どもの頃から染みついた「もったいない」精神はそうそう消えるものではありません。

    しかし、診察室でお腹を押さえている患者さんを見るたびに思います。

    食べ物は捨てればなくなりますが、お腹を壊して辛い思いをする数日間は戻ってきません。

     

    「賞味期限は参考になりますが、最後の責任者は自分です」

     

    冷蔵庫の中の3日前のカレー。

    まだ大丈夫そうだ」と思うのは自由です。

    ただし、そのカレーの中ではウエルシュ菌たちが、「まだ大丈夫そうな人が来たな」とほくそ笑んでいるかもしれません。


    後悔先に立たず。

    「もったいない」より先に、「明日、トイレで後悔しないか」を考えてみてくださいね。


    どうか皆さん、この夏も食べ物より自分の体を大切に。

    食中毒予防の基本は、

     

    『もったいない』より『お腹がもたない』を優先することです。

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