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    1枚の油絵

    こんにちは ドクターカズです。


    前回に引き続き、「絵」の話です。

    我が家の玄関には、1枚の油絵が飾ってあります。
    長崎のグラバー園で描かれた作品だそうです。


    作者は、妻の祖父。

    私はお会いしたことはありませんが、定年退職後に絵を描きながら全国を旅していたそうで、なんとも風流な方だったようです。


    今からおよそ50年前、祖父が亡くなり、形見分けの時、当時中学生だった妻は、迷わずこの1枚を選びました。


    「いつかグラバー園に行ってみたいなあ」


    その「いつか」が、昨年ようやく実現しました。


    お盆休みを利用して長崎へ。
    旅の目的は、祖父が描いた風景を、自分の目で見ることです。

     

    長崎港を一望できる高台に広がるグラバー園は、洋風建築が点在し、幕末から明治の雰囲気が残っています。

    ところが実際に行ってみると、これが広い。しかも坂が多い。

    さらにこの日は35度を超える猛暑日。

    「これはなかなかだな」と思いながら、順路に従って、園内を一通り歩いて回ることにしました。


    途中で何度も休憩をはさみ、後半はほとんど無言です。

    冷房の効いた喫茶店に避難し、しばらくぐったりと動けず。
    ひと息ついて、出口の近くまで来た時、見覚えのある風景が目に飛び込んできました。


    入り江の向こうに小高い山。
    瓦屋根に煙突のある洋風建築。


    「あれかな……?」


    間違いありません。


    50年の歳月で多少の違いはありますが、玄関に飾ってある絵の
    景色です。


    半世紀前、祖父がここに立ち、イーゼルを構えて、黙々と絵を描いていた――

    そんな光景が浮かんできます。

     

    「ここだったんだ・・・・」


    しばらく二人で立ち尽くし、同じ景色を眺めていました。


    50
    年の時空を超えた、いい時間でした。


    しかし、あとで分かったことがあります。

    この場所は、グラバー園の中でもかなり有名な目玉スポットだったのです。

    つまり――最初から場所を調べておけば、あんなに汗だくになって、園内をくまなく歩き回る必要はなかった、ということです。


    「最初に調べておけばよかったなあ」と呟くと、「苦労して見つけたからこそ、印象に残るのよ」と、妻が慰めてくれました。


    妻の祖父はきっと、描きたい風景を求めて全国を旅していたのでしょうが、
    私は行き当たりばったりで歩き回るタイプのようです。


    今回の教訓: 風流も大事だが、下調べはもっと大事】


    特に真夏は、なおさらです。

     

    PS:お盆の長崎といえば「精霊流し」ですね。私も旅行中に初めて見学しましたが、歌手さだまさしさんの同名楽曲のしっとりしたイメージとは正反対の行事でした。

     

    下の写真は、実際に妻が現地で撮ったものです。

     

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