
こんにちは。ドクターカズです。
先日、私の所属していた大学医局の同門会総会に出席しました。
同門会とは、同じ医局出身者のOB会のようなものです。
1年に1度、現在の医局在籍者とOBが一堂に会する懇親会が開催されます。久しぶりに懐かしい面々と再会して、旧交を温めることができました。
外科の医局とは、一人前の外科医を養成する道場のようなもので、その運営方針はトップである教授の意向に大きく左右されます。
若手の医局員は、手術に対する考え方や、手術手技、はたまた使用する手術器具の選択に至るまで、教授の方針に沿って、日々鍛えられるのです。
その結果、同じような考え方や手術手技を身につけた外科医の集団が形成されます。いうなれば剣術の一流派のようなもの。その門下生で構成される同門会は、深い絆で結ばれています。
大学病院の医局と言えば、山崎豊子原作の「白い巨塔」が有名です。テレビドラマ化もされましたから、みなさんもご覧になったのではないでしょうか。
野心家の天才外科医が、壮絶な権力闘争をくぐりぬけ、大学病院の教授に登りつめていくストーリーです。最新版では、主人公の財前五郎役は岡田准一さん。過去には田宮二郎さんと唐沢寿明さんが主役を演じました。
個人的には、私が医学生だった頃に放映されていた、田宮二郎さんが演じた財前五郎が一番好きです。
これら3つの「白い巨塔」は、時代の変化に応じて、上手くリメイクされてきました。
最新作では、スマホやパソコンやタブレットがよく使われていましたが、昭和の医局で育ったアナログ世代の私としては、田宮・財前が使っていた黒電話や紙カルテ・X線フィルムの方に愛着を感じます。
外科医の立場から新旧の作品に、医学の時代的変化を感じたことがいくつかあります。
ひとつは、初回ではタブーだった癌の告知が、2作目では一部OKに、新作ではごく当たり前になっていたことです。
もうひとつは、主人公の専門分野が初回は胃がん、2作目が食道がん、今回がすい臓がんと、時代に合わせて変遷してきたことです。
今ではほとんどが治ってしまう胃がんは、原作当時は天才外科医が立ち向かう難しい病気だったのです。現在、すい臓がんは最も治すことが難しい癌ですから、今回のリメイク版で採用されたのもうなずけます。
将来、4回目のドラマ化があるとすると、どの病気が主人公の専門分野になっているのでしょう?今は想像できませんが、その時代には、すい臓がんも治る病気になっていてほしいものです。
ところで、あんな生き馬の目を抜くような熾烈な医局の中で、おまえはどんな存在だったのかって?
それは皆さんのご想像におまかせしますが、診察室でのドクターカズを見ていれば、だいたいわかりますよね…。
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