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    ドクターカズ vs ドクターX

    こんにちは。ドクターカズです。

     

    「私、失敗しないので!」

    テレビドラマ「ドクターX」に出てくる、主人公の決め台詞です。

     

    このドラマの中で主人公は、クールで協調性はないけれども、誰もが敬遠する難手術をさらりとやってのけるスーパー外科医として描かれています。

    組織や人脈にとらわれず、自分の腕ひとつで病院を渡り歩く一匹狼の姿はかっこよく、今の若者の心をつかんでいるのでしょう。

     

    たいていの人は、どんなに失敗しない自信があっても、それを公言はしません。
    それは、人間が完全無欠な存在ではないことを、分かっているからです。

    ましてや人の命を預かる医師が、自分は失敗しないと豪語したら・・・。

    反対に、ちょっとひいてしまいます。

    しかし、そんな無鉄砲で、ちょっぴり危なっかしいところが魅力なんでしょうね。

     

    私も、元は外科医の端くれですから、たくさんの手術を経験してきました。

    手術を受ける患者さんの病状は、ひとりひとり違います。

     

    例えば、同じ胃がんの手術でも、患者さんが100人いれば、それぞれの患者さんに合わせて100通りの手術があると言えます。

    手術というものは、決まりきった画一的な作業ではなく、患者さんの病状に合わせて臨機応変な対応が求められるのです。

     

    私は、どんなにうまくいった手術でも、100点満点はないと思っています。

    「あそこをもう少しこんなふうにした方が良かったかな・・・」というような、小さな心残りが必ずあるものです。

    もちろん、手術中に自分では気づいていないミスもあるかもしれません。

    自分の手術を真摯な気持ちで振り返り、反省点を次に生かしてこそ、手術のレベルは上がっていきます。 

     

    私が駆け出しの外科医だった頃、当時の教授が仰いました。

    「どんどん先輩と飲みに行きなさい。そして、失敗の経験をたくさん聞きなさい。」

     

    外科の手術書には、手術の基本的な手順しか書いてありません。

    突発的なトラブルや、予期しなかった合併症への対応は、それまでの経験が大きくものを言います。

    ベテランの外科医は、数多くの冷や汗をかいた経験から、陥りやすい落とし穴や様々なトラブルへの対処法を知っています。

     

    最近の外科手術の進歩には、目を見張るものがあり、私が現役の頃とは大きく様変わりしています。

    私は既にメスをおいた身ですが、今でも手術への熱い思いは変わりません。

    そんな私に言わせれば、失敗しない外科医というのは、チャレンジしないで成長するのをやめた医者のことで、決してカッコいいとは言えません。

     

    偉そうなうんちくを披露してきましたが、米倉涼子さんに「ロートル外科医がごたくを並べて・・・。それでも私は、失敗しませんから!」と一喝されればそれまでです。

    私の話は吹っ飛んで、「やっぱり大門未知子はカッコいい。」ってことになってしまいますね。

     

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