こんにちは。ドクターカズです。
先日、常連のご婦人が、診察後におっしゃいました。
「先生、ついでに夫の検査結果を教えてもらえないでしょうか?」
それを聞いた私は「それはこの次、ご主人がいらした時にお話ししますよ。」
「だけどあの人忙しくて、なかなか来られないから、私が代わりに聞いていってもいいでしょう?」とくいさがるご婦人。
「ウーン、ご主人も直接聞きたいんじゃないかなー…」などと言いながら、私はやんわりとお断りしました。
そんな固いことを言わずに教えてあげればいいのに…と思われるかもしれませんが、医者には守秘義務があります。
患者さんの個人情報は、たとえ家族であっても、無断で教えることはできないのです。
(未成年の子どもや認知症のお年寄りは、例外です)
夫婦間のことは他人には分かりません。
一見普通の夫婦でも、実は破綻寸前ということもありうるでしょう。
ですから、そんなカップルの一方に、承諾なしにパートナーの健康状態を教えることは、保険・相続・子どもの親権等々を考えると、後々問題になりかねません。
金沢市のすこやか検診の結果が、夫婦別々の封筒で送られてくるのはそのためです。
検診結果は究極の個人情報ですからね。
先ほどの患者さんご夫婦は、私も良く存じ上げている仲睦まじいおしどり夫婦です。
奥様にご主人様の検査結果を伝えても、多分問題ないと思われます。
それでも、自分の健康状態を、他の人が先に知ったら、いい気持ちはしないでしょう。
また、仲のいい夫婦だからこそ、相手に心配をかけたくないという理由で、自分の検査結果を知られたくないかもしれません。
ですから、ご主人様の気持ちを確認するまでは、お教えするのはどうかご容赦下さい。
昔から「夫婦間で隠し事をしてはいけない」なんていいますが、私は夫婦間でも最低限度のプライバシーがあっていいと思います。
人間だれしも心の中に、触れてほしくない秘密の部分があるものです。
相手を本当に尊重するなら、そんな秘密を深く詮索しない勇気を持ち、お互いを信頼していくことが夫婦円満の秘けつではないでしょうか?
おっと、もちろん検診結果は、ちゃんとパートナーに見せてくださいね。
相手の健康状態を思いやり、夫婦で助け合って生きていきましょう
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