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    別次元の医師・中村哲

    こんにちは。ドクターカズです。

     

    先日、とても衝撃的で悲しいニュースがとび込んできました。NGOペシャワール会代表の中村 哲医師がアフガニスタンで銃撃され死亡しました。

      

    今回の事件で報道されるまで、日本ではあまり知られていませでしたが、中村医師がアフガニスタンで残した功績は、言葉では表せないほど大きなものでした。

     

    中村医師の亡骸を納めた棺を、大統領が先頭になって担ぐ映像が流れた時、かの国で彼がどれほど尊敬の対象であったかということを改めて思い知らされました。

      

     

    中村医師の活動は、30代後半のパキスタン辺境における医療活動に始まります。

     

    その後、アフガニスタンに拠点を移し、度重なる干ばつで荒廃した大地を目の当たりにして、医療活動の限界を痛感しました。

     

    多くの人々が、空腹を紛らわせるために不衛生な水を飲み、赤痢などの感染症に侵されて次々と死んでいく現実を突き付けられたのです。

       

    「飢えや渇きは、薬では治せない。」

       

    中村医師は、聴診器を重機のハンドルに持ち替えて、井戸や用水を造る活動を始めました。

     

    医療の本質とは、患者さんを診察して薬を出すことではありません。苦しんでいる人に寄り添って、なんとかして助けようと努力することです。

     

    彼はまさしくそれを実践しました。世の中が常識とする医師の定義を越えた、別次元の医師と言えるかもしれません。

      

    中村医師の活動は、現地に多くの雇用を生み出しながら、不毛の荒野を緑の農地に変貌させました。その結果、人々が定住し、生活水準の向上とともに健康状態も改善していったのです。

     

    医療行為だけでは到底成しえなかったレベルで、社会に貢献したと言えます。

     

     

    日本でも、現地での活動を伝える本を出版されると同時に、政府の外交方針決定に際して、ご自身の経験から貴重な意見を述べられてきました。

      

    自分の命を顧みず、危険と隣り合わせの環境で、異国の発展のために闘い続けた強い意志。

     

    享年73(歳)。志半ばで、逝かなければならなかった無念さを思うと、胸が痛みます。

      

    心よりご冥福をお祈りいたします。

     

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