こんにちは。ドクターカズです。
朝晩めっきり冷え込むようになり、秋が深まってきました。そろそろ紅葉も見ごろを迎えるでしょうか。
先日、車の運転中、街路樹のイチョウが、まばゆい黄色に変わっているのを見かけました。黄金色のトンネルと、地面に広がる黄色い絨毯、息をのむような美しい光景でした。
イチョウと言えばぎんなん!子どもの頃、母がぎんなんを炒って、金槌でたたいて殻を割り、取り出したヒスイ色の実を食べさせてくれました。ちょっぴり苦みはありますが、ほんのり甘くて香ばしく、食べ始めたら止まらなくなったことを今でも思い出します。
ところで、ぎんなんの食べすぎは身体によくないことをご存知でしたか?
ぎんなんに含まれるメチルピリドキシンという物質は、体内でビタミンB6の働きを阻害します。少量ならば問題ありませんが、大量に食べると、嘔吐やけいれんなどの中毒症状を起こすことがあります。
特に小児は要注意。解毒機能が発達していないため、死亡例も報告されています。
ぎんなん中毒は、必ず発症するわけではなく、むしろ何も起こらないことの方が多いので、過度に心配する必要はありません。食べた時の体調や個人差も影響するようです。
食欲の秋に水を差すつもりはありませんが、ぎんなんを食べる時は、大人でも数個までにしておいた方がよいでしょう。
おでんネタとしてのぎんなんは、爪楊枝に3個刺さったもの定番ですし、茶わん蒸しに普通は1~2個しか入っていません。これはお店がケチっているわけではないのです。
私が大学生の時、行きつけのおでん屋でぎんなんのお代わりを頼んだら、店の大将が怪訝な表情で私を見ました。大将はぎんなん中毒のことを知っていたのに、医学生の私は、そんなことすら知らず、平気でぎんなんをパクついていたのです。若気の至りとはいえ、お恥ずかしい…。
そうは言っても、美味いものにはついつい手が伸びてしまうもの。秋の夜長に炒ったぎんなんをつまみに、熱燗で一杯やりたい気持ちもよ~くわかります。しかし、食べすぎにはご注意くださいね。
子どもの頃、たらふくぎんなんを食べた私は無事だったかって?
多分私の両親は、ぎんなん中毒のことを知らなかったと思います。無知とは恐ろしいもので、我が子に美味しいぎんなんを腹いっぱい食べさせてやりたかったのでしょう。中毒にならなかったのは、たまたま運が良かっただけ。現在97歳になる母は、きっともう覚えていないでしょけどね。
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