こんにちは。ドクターカズです。
「エクソシスト」という映画をご存知ですか?
「エクソシスト」とは、悪魔祓いの祈祷師のこと。少女にとり憑いた悪霊と悪魔祓いの神父の壮絶な闘いを描いて、世界中にオカルトブームを巻き起こしました。
当時、私は中学生。それまでに経験したことのない、何とも言えない恐怖を感じたことを今でも鮮明に覚えています。
悪霊にとり憑かれた少女の身体がベッドから飛び上がったり、首が180度回転したり、ブリッジのような姿勢で階段を降りたり等、驚愕するような映像のオンパレードでした。その描写のあまりの恐ろしさに、「心臓の悪い方はご遠慮ください」という注意書きが、映画館に張り出されたほどです。
この映画の主人公にはモデルがいました。少女ではなく少年でしたが、今世紀に入ってその少年の病気が解明されたそうです。
その病名は「抗NMDA受容体脳炎」。本来は細菌やウイルスを標的とするはずの抗体が、自分の脳細胞を攻撃することで発症する急性型の脳炎の一種です。
狂気のような精神状態や異様な顔貌、ベッドから落ちそうになるくらい身体をくねらせたり、手足をバタつかせたりする症状は、まさしく映画に登場した主人公の少女そのもので、この病気が俗に「エクソシスト病」と呼ばれる所以です。
発症率は約300万人に1人で若い女性に多く、2007年に米国で初めて病気として提唱されました。現在では発症メカニズムも詳しく解明されており、治療法も日々進歩しています。
2017年に公開された映画「彼女が目覚めるその日まで」は、この難病に罹った実在のアメリカ人女性のストーリーです。日本でも、この病気を題材とした映画「8年超しの花嫁」が、昨年公開されました。
「エクソシスト病」が医学的に解明されたように、現在治療が困難とされている多くの病気も、いずれは解明される日が来るのでしょう。
このような難病にお目にかかることは滅多にない町医者ドクターカズですが、日進月歩の現代医学に置いてけぼりにされないよう、精進せねばと自戒する毎日です。
ブログランキングに参加しています。
↓「金沢情報」のバナーをクリックしていただくと、ポイントが入り、更新の励みになります。
応援よろしくお願いいたします。
コメントをお書きください