こんにちは。ドクターカズです。
猛暑日が続いています。普段は患者さんに外歩きを勧めていますが、こう暑いと日中の外出はNGです。
なるべく外に出ないで、家の中で涼しく過ごしてくださいね。特に、ご高齢の方は、喉が渇かなくても、定期的に水分摂取を心がけましょう。
先日、患者さんから大きなスイカの差し入れがありました。スタッフみんなで美味しく頂きました。お心遣い有難うございます。
スイカを食べていると、子どもの頃、兄弟や友達とスイカの種を遠くまで飛ばし合った思い出がよみがえってきます。そんな時、周りの大人から「スイカの種を食べると盲腸になる」と、言われませんでしたか?
これは、ヨーロッパの「ブドウの種をたべると盲腸になる」という民間伝承が起源だそうです。どう考えても迷信としか思えない言い伝えですが、外科医として沢山の手術をしてきて、この都市伝説の由来らしきものを目にしたことがあります。
いわゆる盲腸とは、正確には「急性虫垂炎」のこと。大腸から細長く突出した虫垂という臓器が炎症を起こして発症します。虫垂内で細菌が増殖して膿が溜まり、進行すると虫垂に穴が開いて腹膜炎を引き起こすこともあります。そうならないように、化膿した虫垂は一刻も早く切り取らなければなりません。
虫垂炎の手術は、外科医がまず身につける入門手術の一つです。私が駆け出しのころは毎日のように虫垂炎の手術がありましたが、最近では画像診断や薬剤の進歩もあってか、めっきり手術件数が減っていると聞いています。
虫垂炎の原因は色々ありますが、中には糞石といって、大便が固まって小さな石のようになったものが、虫垂内に詰まって炎症を起こすことがあります。黒くて小さな糞石はあたかもスイカの種のようです。先人たちが、摘出した虫垂内の黒い塊を、ブドウやスイカの種と見誤ったとしても不思議はありません。
スイカの種は食べてしまっても、普通は消化されずに便と一緒に出てきます。スイカの種が虫垂炎の原因になることはまずありませんから、ご安心ください。
中国や東南アジアには、スイカの種を好んで食べる地域もあるそうです。ですから、スイカを食べる時は、少々の種など気にしないで、豪快にかぶりついていただいても大丈夫です。もし万が一、お腹からスイカの芽が生えてきたら、すぐに受診してくださいね。
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