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    食中毒にご用心

    こんにちは。ドクターカズです。

     

    北陸地方も梅雨入りしました。これからしばらくは、じめじめとうっとうしい日が続きそうです。

     

    梅雨と言えば、食べ物が傷みやすい時期。食中毒には気を付けましょう。

     

    古くなってカビが生えたものや、少しでも変な臭いがしたり、いつもと違う味がするものは避けるようにして下さい。こんな時に、「もったいない」の精神は捨てましょう。

     

    私が30歳代でアメリカに留学していた時のお話です。

     

    当時、私達家族は、ニューヨーク市マンハッタンの北東で治安のあまりよくない地域に住んでいました。

     

    どうしてそんなところに住んでいたのかって?私が働いていた病院の宿舎がその地域にあったからです。マンハッタンの高額な家賃を考えると、それ以外の選択肢はありませんでした。

     

    ある時、宿舎近くの店で牛乳を買ってきて、一口飲んでみたところ、何か酸っぱい風味が…。

     

    妻にも確認してもらいましたが、やはり臭い・味ともおかしいとのこと。1ガロン(約3.8リットル)のプラスチック容器に入ったその牛乳は、賞味期限も切れていませんし、ちゃんとお店の冷蔵庫に入っていました。

     

    その牛乳ボトルを持って、買った店に向かいました。

     

    そのお店は、小さなビルの1階にある、マンハッタンの街角でよく見かけるこじんまりした食品&雑貨店でした。店主は小太りで口ひげをはやしたヒスパニックのおじさんでした。

     

    私が事情を話すと、店主はいぶかしそうな眼で私を見ながら、その牛乳をコップに注いで口に含みました。そして次の瞬間、噴水のように口から吐き出したのでした。

     

    「オーマイガー!腐ってる!」

     

    腐った牛乳を売るなんて…、とんでもない店だ!私は当然得られるであろう丁寧な謝罪を期待しました。

     

    ところが、店主は、冷蔵庫から別のボトルを取り出し、ひょいっと私に差し出し、言いました。「これを持っていけ。」

     

    新しい牛乳ボトルを渡されて、唖然として立ちつくす私には目もくれず、店主はそそくさと仕事を続けたのでした。周りで私たちのやり取りを見ていた人たちも、何事もなかったかのように買い物を再開しました。

     

    これがアメリカ、いや世界の常識か…?

     

    その瞬間、私は自分や家族を守るのは自分自身しかいないことを悟りました。お上も世間も誰もあてにできないと。

     

    自分の英語力では、それ以上糾弾できないもどかしさもありましたが、日本人はいかに温室育ちで、ひ弱な存在だったかということを痛感しました。

     

    日本と米国では、だいぶ事情は異なります。しかし、今でも私の心には、あの時の教訓が刻まれています。

     

    この季節、人任せにしないで、皆さん自分の身は自分で守りましょうね。

     

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