こんにちは。ドクターカズです。
風疹の集団発生が時々報告されています。
風疹は、発熱・発疹・リンパ節の腫れなどの症状が出て、三日ばしかとも呼ばれるように、はしかよりもいくぶん短い期間で治癒します。妊婦さんが感染すると、赤ちゃんの心臓や眼・耳などに合併症を引き起こすことがある厄介な病気です。
風疹はウイルスによる病気ですから、風疹ウイルスに対する免疫を持っていれば普通は発症しません。
現在では予防接種が広く普及しており、日本人の90%以上が風疹に対する免疫を持っていると言われています。特に若年者はほとんどが十分な免疫を持っていますから、風疹に罹ることはめったにありません。
しかしながら、免疫をもっていない年代が存在し、その人たちが集団感染の原因になっていることがわかってきました。
最近の調査によると、39歳から56歳の日本人男性の風疹に対する免疫保有率が明らかに低いとのこと。
これは、風疹の予防接種が始まった当初、中学生の女子だけが対象だったことに起因します。
つまり、彼らと同年代の女性は中学生時代に予防接種を受けていたのに対し、この世代の男性たちは予防接種の対象から外されていたのです。彼らはいわば政府の風疹対策から「とり残された男たち」なのです。
ちなみに、57歳以上の高齢世代では、幼少期にほとんどが風疹に感染しており、結果として男女を問わず風疹に対する免疫を持っています。
さて、そんな「とり残された男たち」を救済する制度が今年6月から始まります。
該当する男性へ、地方自治体からクーポン券が発送され、風疹の抗体検査と免疫のない人は予防接種が無料で受けられます。働き盛りの年代であることに配慮して、クーポン券は出張先や単身赴任先など、日本全国どこでも使用可能です。
今年秋には、ラグビーワールドカップが、来年夏には、東京オリンピックが開催されます。世界中からたくさんの観光客を迎えるにあたり、政府は風疹の流行を少しでも防ぎたいのでしょう。
遅ればせながら、免疫のない中年男性世代に予防接種をすることにより、風疹免疫の空白地帯を無くそうと動き始めたのです。
クーポン券は若い年代から順番に、これから3年にわたって発送されます。
とり残された中年男性諸君!是非ともこの機会に、政府の助け舟をご利用ください。
ブログランキングに参加しています。
↓「金沢情報」のバナーをクリックしていただくと、ポイントが入り、更新の励みになります。
応援よろしくお願いいたします。
コメントをお書きください