こんにちは。ドクターカズです。
先日の早朝、こんな電話がありました。
「昨晩お寿司を食べてからお腹が痛い。アニサキスだと思うので、胃カメラでとってもらえないか…。」
その方は50代の男性。
金沢に出張中で、スマホで当院のホームページを見つけ連絡されたとのことでした。
「わかりました。どうぞいらしてください。」と答えたものの、少々ビックリしました。
というのも、一般の方が普通に「アニサキス」という専門用語を使われ、なおかつ胃カメラによる治療まで希望されたからです。
最近は、テレビの医療番組もたくさんあり、中には現役医師が登場してくるものもあります。
取り上げられるテーマも、私たちが身近に経験する病気に関するものが多く、一般の方々でも理解しやすいように解説されています。
人気の医療番組の翌日など、外来患者さんから、テレビで取り上げられた話題について、次々と質問を受けることは日常茶飯事です。
世間一般の医学知識の高まりは日々感じておりましたが、まさか「アニサキス」という言葉が普通に飛び出してくるなんて…!
マスコミの力は凄いですね。
アニサキス症とは、アニサキスという寄生虫の幼虫がいるサバやイワシなどの魚介類を食べた後に、急激な腹痛をひきおこす感染症のことを言います。
この痛みは、虫体が胃の粘膜に喰いついた時におこるアレルギー反応が原因で、時に発熱や蕁麻疹を伴うこともあります。
アニサキスは加熱や冷凍で死滅しますが、ワサビや醤油・酢では死にません。
虫体の大きさは1~2㎝ほどで、白い糸くずのような外観です。
肉眼でも確認できますから、お魚を生でいただく時は注意しましょう。
人体に入ったアニサキスは、放置しておいても1~2週間で死にますが、痛みを緩和するために、通常は胃カメラで虫体を取り除きます。
胃カメラで見ると、たいていアニサキスは虫体の先端を胃の粘膜に差し込んで、とぐろを巻いています。
鉗子で捕まえるとくねくねうごいて暴れます。
時には複数のアニサキスが見つかることもあります。
当院へ電話をくださった方は、結局来院されませんでした。
痛みが治まったのか、他院を受診されたかはわかりませんが、せっかくの冬の金沢でのご馳走が、こんな形で台無しになり、さぞ残念だったことでしょう。
私は、いつも妻から早食いを注意されますが、身体にしみ込んでしまった習慣は変わりません。
しかしながら、治療で採取したアニサキスを見る度に、「たとえどんなに美味しそうなお刺身でも、ゆっくりとよーく観察してから食べよう。」と、一応は自戒しているドクターカズでした。
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