こんにちは。ドクターカズです。
石川県にインフルエンザ注意報が発令されました。
熱が出た、身体がだるい、周りにインフルの人がいる、もしかして!…と、来院される患者さんが爆発的に増えています。
先日、20代の男性が受診されました。
数日前から咳や鼻水の症状に加え、高熱が出てきたために、インフルエンザの検査を希望。
結果は陰性でしたが、インフルエンザの可能性は残っているため、解熱剤を処方して、その日は自宅で様子を見るよう説明しました。
翌日に再診。
熱はまだあるが、だいぶ楽になったとのこと。
仕事に行きたいので、『インフルエンザではない』という診断書を書いて欲しいと仰います。
その方は飲食店にお勤めで、ただでさえ人手不足で忙しいこの時期に、同僚たちに迷惑をかけたくないのでしょう。
事情はよ~く分かります。
でも、「インフルエンザではない」という診断書は、ドクターカズにはちと難しい…。
「悪魔の証明」をご存知ですか?
「ある事実や現象が、全くない」と証明するのは、困難であることの例えです。
例えば、「日本に河童はいる」ということを証明するには、河童を一匹捕まえてくれば、誰でも納得しますよね。
では、「日本に河童はいない」と証明するのは、どうでしょうか?
「河童なんて、ただの伝説に過ぎないだろう」と言われるかもしれませんが、それは科学的ではありません。
心から河童の存在を信じている人たちは、上高地の梓川や岩手県遠野市の「カッパ淵」を大規模捜索しただけでは、承服しません。
万人を納得させるためには、日本全国すべての河川・湖沼の水底や、ありとあらゆる草むら・岩の裏側まで調べ上げなければならないため、事実上不可能なのです。
あたかも、悪魔が出した証明不可能な意地悪問題、これを悪魔の証明と呼びます。
話をインフルエンザに戻しましょう。
現在、インフルエンザの診断に使っている検査キットは、100パーセント完全ではありません。
数パーセントの割合で偽陰性(インフルエンザに罹っているのに陰性に出る)になることも。
検査のタイミングや検体の採取の仕方で、たまたま陰性に出ることもあります。
その患者さんには、「検査結果は陰性でも、インフルエンザは完全に否定できません。
仕事に行かせてあげたいのはやまやまですが、お店のことを思うなら、大事をとって休んだ方がいいですよ。」とお話ししました。
患者さんの頼みなら、たいていのことは引き受けるドクターカズですが、どうしてもお受けできないこともあります。
特に「悪魔の証明」にかかわるような難題は、ご容赦くださいませ。
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