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    感染して癌になる?

     

    こんにちは。ドクターカズです。

     

    今日は癌について。

    癌は、細胞内の遺伝子に突然変異がおこって発症する病気です。

     

    癌になる原因は、親から受け継いだ癌体質、発がん物質、放射線などがよく知られています。

    ですが、細菌やウイルスの感染で発症する癌があること、ご存知でしたか?

    日本では、癌全体の25%がこのような感染症が原因であると言われています。

     

    感染して発症する癌の代表例は三つ。

    胃癌(ピロリ菌)・子宮頚癌(ヒトパピローマウイルス)・肝癌(B型・C型肝炎ウイルス)です。

    どれもよく耳にしますね。

    しかしながら、細菌やウイルスが原因であると分かったのは、比較的最近のことなのです。

     

    昔から、医学の歴史は、細菌や寄生虫などの感染症との戦いでした。

    コッホやジェンナー、野口英世や北里柴三郎、…昔の医学者にとって、結核や天然痘など感染症の克服が大きな目標でした。

    そんな先人たちの努力のおかげで、現在では、ほとんどの感染症は治療法が確立されています。

     

    したがって、最近の医学者の関心は、免疫学や遺伝学などのより新しい分野に向けられる傾向にありました。

     

    それなのに、現在でも、死因のトップに君臨し、世界中の研究者の努力にもかかわらず、未だ十分な治療ができていない癌の原因が、細菌やウイルスといった古典的な感染症だったのです。

     

    原因となる細菌やウイルスが分かれば、治療法も立てられます。

    ピロリ菌は内服薬で9割以上除菌できますし、子宮頚癌やB型肝炎はワクチン接種で予防できます。

    最近ではC型肝炎に対する有効な薬剤も開発され、完治が期待できるようになりました。

    これら三つの癌は、将来的にはある程度淘汰できるかもしれません。

     

    私は金沢市のすこやか検診の肝炎検診に携わっておりますので、ここで声を大にして言いたいことがあります。

    肝炎検診は、他の検診に比べて受診率が低い現状があります。

    B型・C型肝炎は、放っておくと慢性肝炎から肝硬変、さらには肝癌へと進行する病気です。

    肝炎の治療は保険適用ですし、高額部分には補助も出ますので、肝炎検診≒肝癌検診と考えて、是非とも受診されることをお勧めします。

     

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