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    カルテの話

    こんにちは。ドクターカズです。

     

    最近ではさすがになくなりましたが、ちょっと前まではよく聞かれたものです。

    「カルテはドイツ語で書くんでしょう?」

     

    いいえ、それは遥か昔の話です。

    私が医師になった頃(30年以上前)、すでに医学用語はほとんどが英語でした。

    時々、年配の教授から、ドイツ語の医学用語で質問され、冷や汗をかくこともありましたが…。

     

    私たちは英語の医学用語を、日本語に織り交ぜてカルテを書いていました。

    当時は、病気について、患者さんにすべてを知らせないのが普通でしたから(癌の告知などはNGでした)、患者さんに見られても大丈夫なように、わざと病名などに英語を使ったのです。

     

    昔から、医者のカルテは読みにくく、何が書いてあるのかわからないと言われていました。

    急いで書くから字が乱れる上に、英語やドイツ語が混じってくるのですから、わかりにくくなるのも仕方がないかと。

    おまけにnpだのwnlだの、略語がやたらと多いため、書いた本人以外には判別不能なものもありました。

     

    今から約20年前、情報開示や知る権利の広まりにつれ、他人が読めないカルテでは不都合を生じるようになりました。

    すべての人が共有できるように、カルテは日本語で書きなさいと、お上からの御達しもあり、英語やドイツ語の小難しい医学用語は、敬遠されるようになりました。

     

    それ以来、それまで医師が独占していたカルテに、看護師や薬剤師、栄養士など病院スタッフが自由に書き込めるようになりました。

    もちろん日本語で書かれていますから、だれでも普通に読めます。

     

    患者さんの求めがあれば、カルテの開示を行うようにもなりました。

    私の友人には、その日のカルテをコピーして、毎回患者さんに渡している先生もいるほどです。

    最近では、電子カルテの導入で、字の上手い・下手も関係なくなり、文字の色も赤や青などいろいろ選べて、ますます読みやすくなりました。

     

    当院でも、私は患者さんの話を聞きながら、机の上の電子カルテに一言一句入力していきます。

    カルテの画面は、患者さんも自由に見ることができますから、すべてオープンな状態です。

    もっとも、私の入力ミスや誤字・脱字まで丸見えになるのは、困りますが…。

    きたばやし医院では、カルテの中身は包み隠さず、すべてお見せしていますから、ご安心ください。

     

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