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    四つ目の"F"

    こんにちは。ドクターカズです。

     

    先日腹痛で来られた中年女性のお話です。

     

    数日前から、みぞおち辺りが差し込むように痛むとのこと。

    かなり前から同じようなことが度々あったそうですが、痛みは自然に消えていったので、そのまま放置していました。

    今回も良くなるかと思って様子を見ていたそうですが、なかなかすっきりしなため受診されました。

     

    ひと通り診察した後で、お腹の超音波検査をしてみました。

     

    「ははーん やっぱり。 胆のうに石がありますね。いわゆる胆石です。」

     

    胆石ならばすべての症状に説明がつくと、ホッと一息ついている私に、驚いたご婦人は、「胆のうに石があるって、先生、大丈夫なんですか?手術が必要なんですか?」などと矢継ぎ早に質問してきます。

     

    「まだ胆のうの炎症は軽そうですから、すぐに手術をする必要はなさそうです。

    念のためもう少し検査をしてみましょう。」

    不安がるご婦人を安心させるため、懇切丁寧に病気の説明をしました。

     

    診察が終わり、一応納得されたご婦人ですが、「先生、私はなんで胆石になったんでしょうか?」と、今度は原因を聞いてきます。

     

    「最近はコレステロールの石が多くなってきているので、食事の内容も関係あるかもしれませんね。」と私。

     

    幸い待合室はガラガラだったので、調子に乗った私は続けました。

    「昔から、胆石ができやすい人の特徴を表すのに、三つの”F”から始まる言葉があります。

    1つ目がFemale(女性)、2つ目がFifties50代)、3つ目がFatty(肥満)です。」

    大した検査器具などなかった大昔の医者たちは、小太りな中年女性に胆石ができやすいことを、経験的に見抜いていたのでしょう。

    あまりにも大雑把なくくりではありますが、あながち間違いとも言えず、私が学生の頃の教科書には堂々と載っていました。

     

    さて、私の得意げなうんちくを聞いていたご婦人が、不機嫌な顔つきになったのは当然です。

    三つ目のFで、自分のぽっちゃり体型を改めて指摘されたようなものですからね。

     

    私は慌てず騒がず続けました。

    「おっと失礼、四つ目のFがあったことを忘れていました。

    それはフェアー(Fair)です。」

     

    ご婦人「フェアープレーのフェアー?」

     

    私「その通り、公明正大のFairです。でもFairには別の意味があるんです。

    英語の古語でフェアーウーマン(Fair woman)とは美人のことです。」

     

    それを聞いてそのご婦人が、にっこり笑って診察室を出て行かれたのは、言うまでもありません。

     

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