こんにちは。ドクターカズです。
先日腹痛で来られた中年女性のお話です。
数日前から、みぞおち辺りが差し込むように痛むとのこと。
かなり前から同じようなことが度々あったそうですが、痛みは自然に消えていったので、そのまま放置していました。
今回も良くなるかと思って様子を見ていたそうですが、なかなかすっきりしなため受診されました。
ひと通り診察した後で、お腹の超音波検査をしてみました。
「ははーん やっぱり。 胆のうに石がありますね。いわゆる胆石です。」
胆石ならばすべての症状に説明がつくと、ホッと一息ついている私に、驚いたご婦人は、「胆のうに石があるって、先生、大丈夫なんですか?手術が必要なんですか?」などと矢継ぎ早に質問してきます。
「まだ胆のうの炎症は軽そうですから、すぐに手術をする必要はなさそうです。
念のためもう少し検査をしてみましょう。」
不安がるご婦人を安心させるため、懇切丁寧に病気の説明をしました。
診察が終わり、一応納得されたご婦人ですが、「先生、私はなんで胆石になったんでしょうか?」と、今度は原因を聞いてきます。
「最近はコレステロールの石が多くなってきているので、食事の内容も関係あるかもしれませんね。」と私。
幸い待合室はガラガラだったので、調子に乗った私は続けました。
「昔から、胆石ができやすい人の特徴を表すのに、三つの”F”から始まる言葉があります。
1つ目がFemale(女性)、2つ目がFifties(50代)、3つ目がFatty(肥満)です。」
大した検査器具などなかった大昔の医者たちは、小太りな中年女性に胆石ができやすいことを、経験的に見抜いていたのでしょう。
あまりにも大雑把なくくりではありますが、あながち間違いとも言えず、私が学生の頃の教科書には堂々と載っていました。
さて、私の得意げなうんちくを聞いていたご婦人が、不機嫌な顔つきになったのは当然です。
三つ目のFで、自分のぽっちゃり体型を改めて指摘されたようなものですからね。
私は慌てず騒がず続けました。
「おっと失礼、四つ目のFがあったことを忘れていました。
それはフェアー(Fair)です。」
ご婦人「フェアープレーのフェアー?」
私「その通り、公明正大のFairです。でもFairには別の意味があるんです。
英語の古語でフェアーウーマン(Fair woman)とは美人のことです。」
それを聞いてそのご婦人が、にっこり笑って診察室を出て行かれたのは、言うまでもありません。
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